20140724

ストック型ビジネスと聞くと「そんなには儲からないけど、割と楽で安定した収益が出る」というイメージがあります。

しかし、これは大きな誤りで、経営は確かに安定しますが、楽だということはありません。楽しようとすればサービスのライフサイクルも自ずと短くなり短命な「ストック型もどき」にしかなりません。

ストック型ビジネスのパターンは1つではない

ストック型ビジネスと一括りに言っていますが、その中にはいくつかのパターンが有ります。

A.多数の顧客に全く(または大体)同じサービスを提供する

例えるならば、水道やガス、電話、インターネットなどのライフライン。多少プランが異なるだけで、ほぼ同じサービスを提供しています。もう少し私たちが出来るビジネスの形態に落としこむとすれば、「月額課金のメールマガジン」や「CD・DVDを毎月送るサービス」などがあります。

メリットとしては「ネタ」があれば、楽です。でも多くのケースで陳腐化してしまい、徐々に会員数が減ってしまう状況になりがちです。そのため減少傾向を打破するために多額販促コストをかけてしまい、そもそものストックのメリットを享受できなくなるリスクもあります。

また、特定のターゲットにマッチする「必需品」を新たに作ることで、陳腐化せずニーズがあるというサービスを作ることもできます。このポイントはライフラインなので「毎日利用するもの」であればあるほど解約も発生しづらくできます。

現在クライアント様で取り組んでいるため、具体的な例が挙げづらいのですが、「ランニング管理アプリ」などがあります。毎日走る人にとってのみ「必需品」になり得ますよね。

B.個別にサービスを提供するが、月額費用で報酬を得る

これは、分かりやすく言えば顧問サービスです。サービス内容は似ているもののクライアントによって、カスタマイズしなければならない箇所を多く含んでおり、サービスを標準化(均一化)しようとすればするほど「手抜き」と思われるタイプのサービスです。

デメリットはストック型というが、手が掛かる点、メリットは、毎月の収益安定と自分の志をクライアントに伝え、共に向上出来る点、つまりやっていて楽しいということです。

その他のパターン

あとは、「A寄りだけど一部B」やその逆、あるいは他社へのOEM提供を活用するパターンなどがあります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、メリットは総じて「経営が安定する」ということです。

ストック型は別に楽ではない

競合が居ないならば、楽かもしれません。しかし、そんなことは極稀で、現状はライバル不在でも明日は何ともいえないものです。ホテルの横に漫画喫茶が1軒出来ただけで売上が下がる時代に「ストック型ビジネスが楽」だと考えるのは甘いといえるでしょう。

不動産オーナーは楽だと思いますか?

収益物件を所有する方が居て、楽に稼げるものでしょうか。レンタルオフィスやコワーキングスペースを経営する方は将来安泰なのでしょうか。「だって、黙っていてもお客さんが入って、毎月お金を払ってくれるし」なんてオーナーが聞いたらムカっとくるはずです(笑)

誰しも「価格競争」に陥らないために、経営努力をし時には異業種で提供するサービスを、自業界に取り入れたり、値引きの代わりに「情報」を付与して価格を維持したりしています。

ストック型に求めるもの、クライアントに求めるもの

「サービスの陳腐化」を避けるために、自分のサービスが出来ることと出来ないことを明示する必要があります。例えば、有料メールマガジンをするならば「予告」が大事です。顧問契約ならば「どこからがオプションなのか」を明示することですね。そして、そのサービス内容は変えないこと。例えば専門家の方が顧問契約をする際に、毎月1回企業訪問をする約束になっていなのに、客数が増えて忙しくなってしまった。

毎月来る約束なのに、最近来なくなった」または「先生ではなくスタッフが来るようになった

こういう状況になるならば、初めから訪問をサービスから外し「来てもらう」もしくは「皆で集まる」にすべきです。対応が一段下がった瞬間からサービスの陳腐化はスタートしはじめるものです。

そして、私たちがクライアントに求めるものは「納得」です。あれこれ要求されてもストック型で設定する価格ではやりきれるものではありませんので、「ここまではやる」「ここからはオプション」だから「比較的リーズナブル」という点に納得してもらうことは非常に重要です。

大切なのはクライアントに何が蓄積されるか

毎月決められたことをして薄く多くの人や会社から報酬を得るようなイメージがあります。確かに以前はそれでよかったのかもしれませんが、既にそんな時代は終わり、クライアントにも何かが蓄積されなければ成立しなくなっています。

昔からある、自分が携わっている安心感という「お守りビジネス」は既に廃れ始めています。必ず、クライアントに蓄積される3つのパターンに則したコンセプトを作るようにしたいものです。

自社の何をストック型ビジネスにすればいいの?

こちらは、また別の機会に詳細にお話しますが、ポイントはいくつもあります。切り口も「自分の強み」だけを見るのではなく、ターゲットが「面倒」に思っていること、「不安」に思っていることなどからもビジネスチャンスは存在します。

また、安価にする代わりに「継続しやすくする」ことも重要ですし、そもそもサービスを受けることによってクライアントが費用以上の価値を感じることが前提になります。

「自分の強み」「多くの人からのニーズ」「似た対応で完結」「他所より安価」

例えばこのような条件がマッチするのであれば、ぜひストック型ビジネスを作ることをオススメします。以前の記事でも書いた通り、ストック型は成功事例失敗事例を集めやすく、自然とクライアントへのサービスレベルが向上しやすいので、自社の成長のためにも少なからず取り組むべきだといえるでしょう。

ストック型ビジネスをはじめるためにしておきたい準備

厳密にいえばストック型ビジネス以外でも必要なビジネスの準備をまずしましょう。これがあるのと無いのでは成果が大違いですので必ずお読みください。

メールマガジンやブログ、Facebookなどのメディア

いざ、ストック型ビジネスを始めても、理想通りの客数にスケジュール通り集まるかといえば無理です。絶対に集まらないと考えた方が良いでしょう。その大きな理由が、自分にファンが一切居ないことに起因します。

ファンでなくてもある程度告知できる媒体を予め準備するようにしましょう。ブログの月間ユニークユーザー3,000、Facebookの友達500、メールマガジン読者500または郵送でのニュースレターなど、こちらからアプローチが出来るメディアを育てる努力が必要です。

アウトプットのスキル

文章を書くのが好きかどうかはあまり関係ありません。なぜなら、私がそんなに好きではないからです。相手に届く文章かどうかも関係ありません。

更に言えば文章は可能な限り短い方が良い場合もあります。文章に変わるアウトプットが「写真」と「動画」です。サービスを販売するために最も効果的なアウトプットのスキルを磨きましょう。

会員が増えるまでの予算

会員が増えるまでに時間が掛かる、ということは、もし独立して一番初めに着手するビジネスがストック型である場合、相当な予算を覚悟しなければなりません。コアビジネスが既にある場合と条件が全く異なるのはいうまでもありません。

例え、営業力がある会社がパートナーにいたとしても決死で安心しないようしてください。自分だけが自分を制御できるものなので、他社の協力はいつまで活用できるかの保証は全くありません。

おわりに

ストック型ビジネスは、見方によっては「教育」「人助け」などの側面があります。良いことをしているのにあまり受け入れられない、というジレンマがつきまとい心が疲弊しがちなのですが、軌道に乗った後のゆとりというのは、言葉にできません。

死に物狂いで安定収益を目指すということは、標準化したサービスによって一社でも多くの会社に出来るだけ価値を与えるということと同位なのです。

今までしてきたインプットを全て噛み砕いて再構築することで必ずひとつの答えが見えてくるはずです。あとは課金の面などで「気配りの心」で仕上げていきましょう。


2014/07/24

ストック型ビジネス