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2015年8月29日に横浜で建設業経営研修「BCC」を開催しました。今回の目玉は入社ルールの刷新。テーマが「攻める人事」なので、そういう展開になるような仕掛けを考えました。ひとまずBCCにおける人材ルールはこれで完成なのではと思っています。

建設業経営研修「BCC」とは

2014112401BCCとは「Blue Chip Constructor」の略です。「Blue Chip」とはカジノの高額チップを指し、優良企業を表す言葉として使用されます。つまり、「建設業界の優良企業」を意味しています。

ゲーム形式で建設業者の経営を学ぶとともに、他社との下請・元請関係や社内でのホウレンソウを学び、現実での問題点を見つける研修として有効です。

こちらは、建設業界の知識がなくても、最初のルール説明と研修で理解できるようにしております。一社で仕事が完結しづらい建設業界だからこそ、コミュニケーション力を含むさまざまな資質が必要になってくるのはいうまでもありません。

な、なんとベイブリッジがパワーアップしました!

奈良、名古屋と開催してきて、横浜の入札案件がちょっと簡単過ぎるということで、横浜ベイブリッジのデザインを刷新することにしました。

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どうですか?かっこいいでしょ?(笑)また、併せて横浜スタジアムも準備。ほぼ、横浜のランドマークは網羅したんじゃないかなと思っています。

はじめは、求人コンサルタント村上さんの講義

BCCに入る前に、建設業専門の求人誌パワーワークの営業部長村上亮仁さんの講義がありました。

パワーワークといえば、少し前からTVCMやってますよね!ご覧になったことある方も多いのではないでしょうか。

「この国は俺たちの汗でできている」

かっこいいですね。村上さんはBCCの運営メンバーとして横浜開催の際はご参加いただいていました。このたび、建設会社への人材コンサルタントとしてもパワーワークで活動されるということで、講義を依頼した経緯があります。

現在の状況から、実際の求人媒体の書き方、そしてそれによる採用効果といった具体的な話があり、素晴らしい内容でした。しかも、この講義がBCCで検証できてしまうところがとってもいいですね。

今回の新ルール!求人採用ルール Ver.2

今までの求人採用ルールは、経営者を数人決めた後に、ホワイトボードに採用記事を書いてもらい、社員の方がどこに入るかを決めるという単純なものでした。

結果としてどんなことが起こるかというと、まず経営者の知り合いが入社してしまう。既に人間関係ができている状態だから、たとえ経営が傾いても転職しようとしない。

これって、リアルじゃないですよね。

そのため、今回は午前中のルール説明後に経営者を決めた後、以下の様な流れにしました。

  1. 社員の方はお昼休憩に出てもらう
  2. 経営者がホワイトボードに採用記事を書いてもらう
  3. 社員が帰ってくるタイミングで経営者は昼休憩へ行く
  4. どの会社の経営者が誰かわからない状況で社員は入社する会社を決める

結果として、7社ある会社の社員が0人から4人と規模の違いが最初から出ることに。

今までの傾向として、全社3人体制の6社というパターンが多かったので、この差が出たことで、運営側としてはこの研修の成功が半分約束されたようなものだと思いました。

村上さんの考察

今回、最も人材を獲得した会社が2社。社員4名ずつです。社員役の参加者が11名であることを考えると、ものすごい訴求力があったことが分かりますね。以下のどの会社か分かりますか?

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皆さんいろいろ書かれていますねー。

正解は「③ 有限会社 力技」と「④ きのえ建設」です。では、その共通点は?

どちらも「横浜スタジアムを建てたい」「ベイブリッジを建てるのが夢です」というキーワードがありますよね。

講師の村上さんがおっしゃっていたのは、「きのえ建設は明確な給与のことが全く書かれていない。でも、応募が最も多かった。現実でも、日給などで釣ろうとしても全く採用がない場合があるため、ロマンやビジョンを書くべきで、更にいえばあなたに来て欲しいというメッセージがあるとパーフェクト」とのことでした。

深いですね。「② 株式会社 済」は応募がゼロでした。でも、「マリンタワーを建てる!!」という力強いメッセージがあるじゃないか?と思われるかもしれませんが、よく見てみると「多くの人を求む!」という誰でもいいからいっぱい来てね、と読み取れてしまう文言が求職者の心に刺さらなかったんじゃないかなと考えています。

入社式!

経営者と社員が決まったら、早速入社式兼営業会議です。年齢性別職業さまざまなメンバーながら真剣に話し合う姿に運営は心の中でいつもエールを送っています。

映像の冒頭に出てきた3名の男性は共に人材応募ゼロの一人親方です。会社の合併は認めていませんが、こうやって小規模な会社が関係を密にして生き残りを賭けるというのは業界ではよくあることなので、本当に今回のBCCは建設業界の縮図ができたなぁと感じました。

一人親方軍団の隆盛

一人親方だから小さい仕事をしているかというとそんなことはありません。きちんと役割分担をして協力したり、一人でも入札案件を受注できる実力があるならば、人件費も設備も負担にならないために経営を安定させることは可能です。

今回のBCCはまさにそのような展開でした。3年目までの入札結果を見てみましょう。

BCC始まって以来のハイペースで入札案件をすべて落札していく「チーム一人親方」。入札で、最初の内は誰からも関心を持たれていないのに、最後は関係会社が増えてきていて、一体感が生まれているのがよく分かりませんか?

はじめの内は、皆さん自社の内部統制で手一杯だったところをスモールカンパニーだからできるフットワークの軽さで提携を重ねていったことを物語っていますね。

転職、そして大建設時代突入!

BCCでの転職チャンスは毎年やってきます。1年目には募集企業はありましたが、転職はありませんでした。しかし、2年目に大所帯だった会社から、一人親方の会社へ入社する社員が1名。BCC人材ルールでは珍しいパターンです。今までなら潰れそうでも、なんなら潰れても社員は居座っていましたから(笑)

転職の理由は明確にありますが、こちらは後で書くとして、3年目までに会社間の関係や役割分担もほぼ完成されていきます。

それは、つまり建物を建てるという成果に表れてくるのはいうまでもありません。でも、そんな順調な状況が続くほど、建設会社の背後に寄り添ってくるものがあります。

そうです。「近視眼」です。

資金的な不安定さは、最初は確実にあったビジョンを失わせ、次に建設業が持つべきミッションを業務レベルに分解した単純な「作業」にしてしまいます。

実際の橋梁工事で「ちょっと間違ってました」が通用しないのは当然ですが、ベイブリッジを建てるのが夢だと宣言した会社でこういうことが発生するのは、とても学びあることだと思いませんか?

誰を責めるでもなく、自分がふとした時に視野の狭まったりや近視的に物事を見てしまったりする癖を把握することはこれからのお仕事でも重要な学びになったのではないかと思います。

仕事は死なず

横浜ベイブリッジの不良施工により、元請企業は遅延損害金を支払い、メインで施工にあたった下請企業は経営が立ち行かなくなります。

倒産させることにより、横浜ベイブリッジを施工できる会社がいなくなってしまいます。厳密にいえば、もう一度ゼロから作ることもできますが、それをするのは現実的でないことから、他の会社が資金援助をして社長1名の会社として存続させることになりました。

会社を畳んでしまうと事実上、横浜ベイブリッジが竣工しなくなってしまう。

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2年目に転職した常見さんは「ベイブリッジを建てるのが夢です!!」という募集に惹かれて入社しましたが、その会社では夢の実現は難しそうでした。

だから、横浜ベイブリッジを元請として受注しそうな会社へ転職しました。たとえ、施工会社が倒産しようが死に体になってしまおうが、働く人の価値観や夢、すなわち仕事というものは死んでしまってはならないということです。

これは、私達のようなコンサルタントも同じで、クライアントや業界がよくなるために働いているのであれば、たとえ自分の契約が切られようが、良くしたいものが良くなることを望むべきだと再認識した瞬間でもありました。

ラストチャンスなんかない。だから仕事はおもしろい

3年目終了時点でのまちづくりの状況では、優勝ラインに立つ会社はありません。4年目でランドマークタワーを建てるしかないという強迫観念のような空気が、業界を支配しているのが分かります。そして緊張の入札です。

耳障りな「失注です」「ダメです。もうダメです」という冷酷な声が聞こえていましたね(笑)

そうです。もうダメなんです。1回しかないチャンスをモノにできなかったらもうダメなんです。こういう結果にならないようにするためにできることは他の会社も含めて数多くありました。運の要素を排除しきれなかったことがたったひとつの原因だといえるでしょう。

すごく残念な結果なのは運営側もわかっています。でも、だからこそランドマークタワーの竣工を誰よりも願っているのが運営だというのも事実なんですよ。

人生で1回か2回しか来ないチャンス、もしかしたら1回も来ないかもしれないチャンスを確実にゲットするために私たちは頑張っているわけですから、ここで受注できないのは何かが足りないと考えるべきですね。

 参加者のみなさんの感想

  • チャレンジなのか堅実なのか?
  • 会社がおかしくなる時に経営者はどんな気持ちだったのか?
  • なぜ転職したのか?

さまざまな感想が出てきました。たしかに研修でしたが、数時間架空の会社で建設業をしてきた生の声が確かにありました。

運営側の総括とまとめ

講師の藤田さんの建設業界とBCCのリンクする点はとても興味深い話でした。業界を良くし、自分たちも良くなるために、経営者が本能のように助け合う姿は確かに今回見ることができました。

いい建設会社とは何か?良い建設業界とはどういうことか?建設会社の参加者様は当然ながら、関与する士業やコンサルタントはそれを知る意味と覚悟に気付かれたのではないかな、と感じました。

今後のBCCに関しては、大小含めていくつかの動きがありそうです。特に隠すようなものではありませんので、少し告知させていただくと

  • BCCという名称の変更
  • 大人、子ども混合ルールの作成
  • インストラクター制

詳細に関しては、このブログでも報告させていただきます。次回の開催は未定ですが、Facebookページで告知いたしますので、ご興味がある方はぜひ「いいね」をお願いします。

今回ご参加いただいた皆さま、運営メンバーのおふたり、本当にありがとうございました。またのご参加を心よりお待ちしております。

そして、藤田さんのスペシャルレポート

こちらのブログで講師の藤田さんが建設業専門の行政書士の視点でレポートを書かれています。藤田さんの業界愛を感じながらこちらもご覧ください。

メディアでの皆さんの発信

ブログ

▶ 郡司果林先生:建設業経営研修BCC【攻める人事】に行ってきました!

「「貸付金」ってなに?」と参加していた女の子に聞かれて、即答できなかったけど、今なら答えるよ。貸付金って、想いへの応援だ。

つい、自社だけで物事を成そうと考えてしまうのですが、自社の能力じゃ足りなければ、外部の力を借りる。協力する。1つの会社では出来ない事も、たくさんの会社の強みを活かせれば、大きなものができる。横浜スタジアムは結局達成できませんでしたが、ベイブリッジ、完成してよかったな~~~(涙)。しみじみ。

そして、私はダメダメ社長でしたが(汗)、社員の皆様の力とチームワークがすばらしかったです!。「企業は人なり」っていうのはこういうことをいうんだなと。もう感謝ばかりです。そして改めて、そんな一人一人の能力を発見すること、その能力を発揮できる環境を整えること、そしてそれに見合った報酬を支払える仕組みが大事だなと思いました。

素晴らしいご感想です。お子様おふたりも活発で、未来の建設業界を担う有望な人材候補だなと眩しく見ておりました。建材購入のお手伝いもしっかりされていらっしゃいましたよね。

Facebook(全体公開の方のみ)

建設会社経営研修ブルーコンストラクター(BCC)今日はこのセミナーに参加させていただきました!(ノ´∀`*)ゲーム形式で自ら会社を立ち上げ、社員役の方に集まっていただき材料費や労務費や許認可費用などコストを見ながら様々な横浜のランドマ…

Posted by 安達 智 on 2015年8月29日


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建設会社経営研修【コンスタ】研修レポート