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2016年5月11日・12日の二日間、大手通信会社の秋田支店さまにてダイナミズムを講演しました。営業コンサルタント浅川 智仁さんとのダブル講師。法人営業のご担当者さまに中小企業の経営者のマインドを理解していただくのが私のミッションです。

開催の経緯

2016052601このブログではまだ紹介できていませんが、2015年の12月に開催した一般社団法人おおた助っ人さまでの年末イベントで私が48人ダイナミズムをしました。

ここでご参加いただいた三宅 創太さんに今回のお話をいただいたのが経緯です。

もう10年以上も今回の通信キャリアさまの営業支援をされている実績・スキル共に私の一歩も二歩も先を行く大先輩です。後々、何と私と同い年と知り驚愕!どんな環境で働くとこんな風になるのでしょう(笑)

また、三宅さんは最近「ツクル論」というご著書を出版されました。おめでとうございます!

 今回のミッション

コンプライアンスの関係で社名は出せませんがお客様は大手通信会社さまです。通信キャリアと聞くと、どうしてもBtoCの携帯端末の販売というイメージが強いと思います。

でも、大企業に関わらず、中小企業でも個人向けと法人向けは同じ商品でも別のビジネスとして取り組んでいるものです。同じ機能のサービスなら個人はブランドで購入しますが、法人は担当者の資質で選ばれるもの。

そこで、法人担当者さまの営業力強化が私たち講師陣のミッションになります。私はダイナミズムを通じて経営者の気持ちを理解していただき、もう一人の講師である営業コンサルタント浅川 智仁さんは営業マンとしての心構えと実際の手法についてお話いただくことになっています。

浅川さんとの出会い

2016052602浅川さんは営業コンサルタントとして上場企業から個人まで多くのクライアントを持たれています。実績もさることながら、お話していてとてもエネルギッシュ!人見知りな私と全く正反対な方でした。

朝7時の羽田空港からとてもお元気で道中のレンタカーの中でも私たち講師側の雰囲気作りをなさっていました。なにより、ランチやおみやげ屋さんなど行く店行く店で店員さんと仲良くなる姿を見て驚きました。こんな人から営業されたら確かに話を聞いてしまうなぁ…と、全く営業しない自分を振り返ってしまう私です(笑)

また、今回一泊二日での研修だったのですが、浅川さんは自分の部屋以外では、スーツで出歩かれていました。お客様の前で浴衣でダラダラしない、酔わない。とにかくずっと講師でした。こういう細の部分まで徹底されているのを見てプロとは何かを考えされられました。

研修スタート

研修がスタートして、まず行われたのが、通信会社様の新年度方針説明、つまりキックオフ・ミーティングです。新年度に向けた企業としての取り組みや新サービスについての説明がなされました。

そして、次に浅川さんのパートが行われます。
テーマは「営業で結果を出し続けるための心構え」「成長するためにやらなければならないこと」。通常、一日研修でやる内容をギュッと1時間に詰め込んだエッセンス版です。

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動画などでお見せできないのが残念ですが、その講義は圧巻。

エネルギッシュで実例が盛りだくさんです。驚きだったのが、参加者の皆さまの顔と名前を把握されていることですね。デキる営業マンとはなんぞやを存分に味わうことができました。浅川さんの研修はオススメですよ。

そして、いよいいよダイナミズム。今回のルールは?

通信キャリアさまの法人営業担当の方に経営者の気持ちをご理解いただく時間がやってきました。趣旨を考え、今回はベーシックなルールで運営することにしました。ただし、秋田県が米どころということもあり、米を収穫し「日本酒」を作ることができるというローカルルールを採用しています。

また、普段チームプレーで仕事をしていることから、1社2名で会社を経営していただくプログラムにしています。

ダイナミズムは1人で会社の意思決定をした方が上手くいく傾向にありますが2人いることで様々なトラブルが発生しやすくなります。たとえば、2人がバラバラに仕事を受注してきて、会社のキャパシティを越えてしまうようなイメージです。会社の方針とホウレンソウが大切ですね。

そして、今回も例外なく静かなルール説明の時間がやってくるのです。

2016052604初日はルール説明と、チーム分け、業種決めをして終了。この後、前年の優秀店舗と優秀者の表彰式も兼ねた懇談会と温泉を楽しむ時間となります。

宴会の場でもダイナミズムの作戦会議をされたり、ルールの質問があったりと、参加者の皆さまの意識の高さを嬉しく思いながら、皆さまの仕事にかける想いやとても団結されているご様子が伺えて大変有意義な時間となりました。

ちなみに私が温泉後にセブンティーンアイスのキウイを食べたのはいうまでもありません。

研修2日目、ダイナミズムスタート!

ルールを前日に実施し、お酒も入っているので、簡単にルールのおさらいをしてダイナミズムがスタートです。
さすが、全員が知り合いだと初年度からかなり活発に動かれています。

会話の内容を聞いてみると、自社製品の売り込みや価格交渉がメインのようです。
さすが、ルールをほぼ全員が理解されている状況で、この後の展開が楽しみな出だしとなりました。

※コンプライアンスの観点から動画にモザイク処理が施されています

ただし、全社が自社の利益を求めすぎているように感じ、実際に交渉力の差によって1年目終了時に資金が半分以下になってしまった会社も少なくありませんでした。

普段から心掛けているであろう「過度な値引きはしない」ということに置いても、1年目から頻繁に見られたために、取引数はいつものダイナミズムより多い状況であっても薄利、もしくは取引するほど赤字という会社もあったのではないかと思います。

2年目、変化の年

20160526062年目に変化が起きます。
とある会社が、取引先同士を紹介するという現象です。

具体的には、農業が「製造業」と「飲食業」を紹介していました。農業の会社自体はこの紹介によって特に利益を生むことはありません。全業種が3社ずつある今回のマーケットにおいて「どうやって競合ではなく自社を選んでもらえるか?」という問題に対してすべての会社が自分なりの解決策を導き出す必要があります。

その中で、主要取引先からの紹介という現実でもパワフルな営業はダイナミズムでも大いに有効です。こういった紹介などのアクションによって、市場の原理が働き、マーケットが育ち、弱者が淘汰される自然な状態になりながら活性化していきます。

4年目、マーケット育たず

私の思惑も外れ、マーケットがそこまで育つことはありませんでした。

今回、人口減少数が多い秋田県をモデルにダイナミズムを開催し、単社での活動に限界があることを理解するのもサブ的な目的ではありました。

しかし、依然として自社の発展を最重要な要素して取り組まれる会社が多かったために、協力しながらビジネスを進めるグループと価格競争により生き残るグループに分かれてしまいました。当然後者のグループはいわばビジネス戦争の様相です。

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「安くするからとにかく買って欲しい」

この行動原理に未来はありません。

昼休みの出来事

私は休憩時間も研修だとお伝えしました。この段階までに、2人1社の仲間と意思疎通ができずに、経済活動以外のところで苦戦している会社もいくつかありました。

最終的に優勝ラインに立ったある会社は昼休みを早々に切り上げ、2人で最終年の打ち合わせをしていらっしゃいました。併せて、ダイナミズムで使う模擬紙幣をご自身の財布に保管する危機管理能力。真剣に取り組まれている姿勢に心を打たれる私でした。

※コンプライアンスの観点から動画にモザイク処理が施されています

経営者は意思決定をするのが仕事。だからこそ、複数の決済者がいるならば、かならず方向性はひとつであるべきです。今までの苦楽を話し合い、明日に繋げられる行動をするものだけが、経営者としての成功をつかむことができます。

ダイナミズム5年目。そして優勝者決定

お昼休みで皆さま、充分な作戦会議をされた結果。5年目には市場も活性化の方向へ進み、この時点で自力優勝が望めない会社も含めて、自分がなすべきことが分かっているように見えました。

そして、いよいよ優勝者の決定です。
優勝ラインに立ったのは2社。2年目に自分のビジネスと関係のない取引先を紹介した「農業」の会社。そして、もう1社はお昼休みに静かに燃えたミーティングをした「農業」と2社とも「農業」からの選出となりました。投票の結果、前者の紹介した農業が優勝に決まり、準優勝を指名し、ダイナミズムは熱気冷めやらぬまま終了となりました。

肝心の学びはどうだったのか?

今回は企業研修バージョンということもあり、ダイナミズム終了後に振り返りのシートを用意しました。考えていただくことは3点。

Part 1 自分のこと

  • 2016052607ハッとしたこと
  • モヤモヤしたこと
  • 他者の行動で気付いたこと

今まで気づけなかった自分のことや、業界の慣習だと諦めていた改善点をこの3つの質問で知ることができます。ダイナミズムにおいて真のハッピーエンドに到達することは難しく、だとすると、「今回モヤモヤしたことがない」というのはビジネスセンスが欠如していることを意味するでしょう。

人望ある人間に努力してなることはできませんが、ビジネスセンスを磨くことは可能で、多くの場合でその答えは自分の中にあるものです。

Part 2 会社のこと

  • 2016052608自社は儲かりましたか?
  • 取引先は儲かりましたか?
  • ゆとりある経営ができましたか?
  • 商談が立ち消えになったことはありますか?
  • 意図しない不義理をしませんでしたか?
  • メンバーとの協働は機能していましたか?
  • 業界の重要なポジションにいましたか?
  • 他社からの信頼は得られましたか?

「自社は儲かったけど、取引先は儲からなかった」というのはつまり「適正価格で取引していない」可能性が高いといえます。今回のような地域の会社で協働するというミッションがあるならば、こういう点にも気を配るべきです。

また、商談のアポを入れて、それを忘れてしまっていたり、些細な約束であってもを守らないという状況は、自分にとってはなんでもないことでも、相手はバッチリ覚えていて、信頼低下につながってしまいます。

自社のことだけを考えていると、どうしてもマーケットの中の自社という視野が狭まってしまいがちになります。

Part 3 具体的な見込み客への提案

ダイナミズムの経験を元に実際のお客様への提案書のドラフトを作っていただきました。
今まで目がいきがちだった携帯端末や回線の数から一歩外れて、「そのサービスによってお客さまにどれくらいのメリットがあるか」に注目して考えていただきました。

まとめの時間をたっぷり取って、実際に提案する内容まで落とし込めたいい振り返りになったと思います。

おわりに

2016052609今回のダイナミズムでは、「経営する難しさ」「意思決定のスピードの重要さ」だけではなく、もっとリアルな「人件費の重さ」や「ホウレンソウの大切さ」など中小企業が抱える悩みに関しても学んでいただくことができました。

最後のまとめとして、私が常々申し上げているように、「働くすべての人はコンサルタントの視点を持たなければならない」という点がひとりでも多くの受講者の方に伝わっていれば幸いです。

また、会場設営から設備、お食事と宿泊など、企業様にとってもチャレンジな内容にも関わらず、多くのご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

私自身、上場企業での企業研修は初めてだったのでとてもワクワクして、この日を指折り数えていました。この場の実現にご尽力くださった三宅さん、本当にありがとうございました。

また次回の開催があるかもしれないとご連絡をいただいておりますので、その際はもっと学びの深い内容にするよう私も精進してまいります。


2016/05/26

いい会社づくり体験ゲーム【ダイナミズム】研修レポート