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お弁当を食べた後はいよいよダイナミズムのスタート。今回は子どもと大人でペアになっていますがプログラム自体はより子どもが主体的になるように設計しています。午前の部で素晴らしい回答を連発していた子どもたちがいよいよ経営者体験する時間となりました。

 会社設立!看板作ってごあいさつ!

お昼休みにお弁当を食べた子から自分の会社の業種と社名が書かれた看板をA4用紙で作成していきます。イラストや経営理念が自発的に書かれていて今回は特にオリジナリティに溢れたものばかりでした。

そして、いよいよダイナミズムの幕開け。まずは経営者あいさつです。

子どもたちがペアの大人に「なんて言えばいいの?」と振り返っている様子はとても可愛いですね。活発な子もそうでない子もとても頑張って町の皆に自社PRをしていました。

2016121615現実で会社が誕生した時、それがたとえお店であっても、誰からも知られていない状況です。

チラシや雑誌、ウェブサイト、SNSなどの広告をすることで確かに認知はされます。しかし、そこから経営が順調に行くかどうかは経営者次第なのはいうまでもありません。

知識やスキルは重要ですが、それ以上に大事なのは「いっちょやってやりますか!」という意志と仲間のサポートだといえるでしょう。今回の子ども達には優秀な参謀が着いています。排水の陣で力が出るのは一握りで、後ろに頼れる存在が控えているとき、人間は力を発揮しやすいのではないでしょうか。

ダイナミズム1年目「みんながやらなきゃならないことは?」

一年目が始まって私が真っ先に感じたこと。それは「もう活性化が始まっている」です。ダイナミズムにおいての地域活性の段階はいくつかあるのですが、1年目の開幕当初から既に2~3年目に起きる状況が始まっていました。

これが大人とペアで経営するものに依るかは分かりませんが、ひとまずハッピーエンドに迷わず向かっている印象を受けました。

ダイナミズムの活性化第一段階は「他社との連携に意義を見出す」ということです。ただし交渉事、特に価格交渉が楽しくなってしまう状況は要注意です。それは町の発展を大きく交代させます。

そして、1年目の最後にみんなにお伝えした「今、やらなければならないこと」。それはゲームの勝利条件にあるのだから人を雇用するのではなく、雇う必要があるから雇うべき。多く雇用することはステータスではなく、生産活動の規模を表すひとつの指標だという意図もありました。

ダイナミズム中盤戦「大人のスタンス」

ダイナミズムが中盤に入ってくると、大人の皆さんのスタンスが若干変わっていきます。最初は価格交渉に回収していらっしゃったのですが、社内で話し合ったり、ここまでの経験を踏まえて子どもたちにその部分を任せてしまう会社も少なくありませんでした。

さすがに大人と子どもで交渉してしまうと大抵の場合子ども側は負けてしまいます。今回のダイナミズムでもこういう状況は多々起こっていました。

でも、これは別にズルいことではなく現実でも起きていますよね。特定の業種が複数ある以上、嫌なら断ればいいし、更に言えば交渉内容を持ち帰って大人と協議しても構いません。

どちらかが「損か得か分からない状況」で取引をすることは悲劇しか生まないということです。「利益を上げたから得だとは限らない」ということにごく少数が気付き始めたダイナミズムの2・3年目だったといえるでしょう。

ダイナミズム4年目「地域とは…共に歩む心」

ダイナミズムが4年目に突入すると当然ながら経済的に上手くいっている会社とそうでない会社に分かれてきます。

2016121616共にダイナミズムで小売店「よろずや」を経営していたいっしん社長は小学5年生。

昨年は一人で経営し、業績はあまり振るいませんでした。しかし、今回は積極的に他社と協力しようとしたのですが。価格の部分で相手の言い値を信頼してしまい、薄利多売の状況になってしました。

ペアになったのは山梨県北杜市で三景園というキャンプ場を営まれている功刀(くぬぎ)さん。北杜市商工会青年部の部長をされており、北杜市の活性化に努められています。

2016121605時系列が前後しますが、功刀さんがダイナミズム終了時に感じられたことは「地域とは共に歩む心」

いっしん社長の経営方針にはほぼ口を出さず自主性に任せていらっしゃいました。ある意味で俯瞰的にダイナミズムをご覧になられた状況で、この町のあるべき姿に気づかれた時、「よろずや」は5年終了時に優勝条件を満たせないことを悟られたのです。

そして、私はそのお気持ちを感じ取り、スピーチしていただくことにしました。

自社が地域と共に歩むとはどういうことなのでしょうか?自社が自分の強みを理解することは有用です。しかしそれだけでは全くの不十分で、取引先がそれを理解し協力することで業界が盛り上がり、そしてそれが町に広がっていく。

どこかの会社がメインで自社がサブなのではなく、このプロジェクトではサブだけど、こっちはうちがメインだ!という流れこそがダイナミズムで体験して欲しいことのひとつだと私は考えています。

ダイナミズム終幕「総力戦」

とてもおもしろい現象が最終年には見られました。まさに「大人も子どももない」という状況です。これこそ社会の縮図。普通に大人の提案を子どもが断り、適正価格でない話に対して子どもが指摘する場面が多々ありました(笑)やっぱり何事も経験なんですよね。

大人と子供のペアがつきっきりではなく、それぞれが別の取引先に向かう。たった二人ですが私はその中に「組織化」を見ました。

ゲームが無事終了し、まずは「親切おじさん大賞」を決めていきます。

ルールの説明や取引先の紹介、お菓子とジュースの手配などさまざまな惜しみない親切を下さった素敵なおじさんの紹介をします。

  • 谷口 誓さま(甲斐市商工会)
  • 櫻井健史さま(南アルプス市商工会)
  • 小泉圭一さま(中央市商工会)
  • 深澤琢磨さま(昭和町商工会)

谷口さん!本当におめでとうございます。

2016121617そしてダイナミズムの優勝者を決める時間になります。優勝ラインに立った6社はみんなの前に並び、ここまでの感想や自社アピールをしていきます。

子どもたちが感じた「楽しかった」理由。この時点で私の涙腺は随分緩んでいたのはいうまでもありません。

ここから優勝ラインに立てなかった人の投票で優勝者を決めていきます。

「AY製造」と「サンセー食堂」のみなさん!本当におめでとうございました!最後のコメントもとっても嬉しかったです。

今日のふりかえり

通常の社員研修で行うダイナミズムでは必ずふりかえりを行うのですが、チビッコダイナミズムでは例年ゲームを終えて終了していました。しかし、子どもたちにもふりかえりをきちんとしないと学びが半分しかないと結論づけ導入に踏み切っています。

感想のシェアとディスカッション

様々な感想出ていましたね。優勝した「サンセー食堂」のエイト社長から出たご意見

「ダイナミズムは面白かったけど、午前中はつまらなかった」

子どもは正直!私も精進していきます!

そして、グループディスカッションの「人から信用されるためにはどうしたらいいんだろう?」というテーマでは、更に活発な意見が出ていました。

「取引先へのお金の払いを良くする」「まずこちらが信頼しなければならない」という大人の意見から「嘘をつかない」「人を笑顔にする」「相手の心を汲む」「WINWINであること」など子どもから出たご意見も素晴らしかったです。

大人から子どもへのフィードバック

今日ペアになった大人は、親御さんか紹介の青年部、もしくは商工会の職員の皆さんでした。朝9:30から17:00までの長時間一緒に会社を経営した同士から子どもたちがフィードバックを受けました。これは今回私がどうしてもやりたかったワークです。

どても暖かで感動的な光景です。動画ではほんの一部しかご紹介できませんでしたが、親子の関係でもそうでなくても、大人が子どもに分かる言葉でフィードバックする姿は、今回のダイナミズムで子どもたちから感じた「可能性」を心からの言葉として表現されたものなのではないでしょうか。

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今回ご参加の皆さまからの感想

おわりに

4年目のチビッコダイナミズムも終了しました。

今回も様々なドラマが有り、過去3年よりも子どもたちが自分らしく居られた場だったのではないかと思います。ダイナミズムによって学んで欲しい「会社」「業界」「地域」の活性化。しかし、その為に不可欠なのは参加者がいる場所の活性化なのはいうまでもありません。

かつての自分であれば「ポツンとしている自分が悪い」と思ってしまっていたのかもしれませんが、今はこの部屋を活性化し、そこから家族へ、会社や学校へと活性化の熱が自然に伝わっていくようになるよう講師業に取り組んでいます。

本当にご参加の皆さまには感謝の気持ちいっぱいです。皆さまの誰かが居なくても今回の結末にはなっていませんでした。そして一人参加のお子さんのペアになってくださった商工会青年部の皆さま、会場設営や飲食物の手配・参加者の募集などさまざまなご準備に携わってくださった商工会職員の皆さま、本当にありがとうございます。

そして、ダイナミズムという研修をここまでに育ててくださったこれまでに関わってくださったみなさまにもこの場を借りて御礼申し上げます。

スペシャルサンクス

経営者のみなさん

  • 山梨県内在住の小学3年生~中学1年生
  • 中北ブロック商工会青年部のみなさん

商工会職員のみなさん

  • 谷口 誓さま(甲斐市商工会)
  • 櫻井健史さま(南アルプス市商工会)
  • 小泉圭一さま(中央市商工会)
  • 深澤琢磨さま(昭和町商工会)
  • 遠藤洋之さま(韮崎市商工会)
  • 関口哲人さま(北杜市商工会)

商工会青年部のみなさん

  • 北原大助さま(甲斐北原石材)
  • 小林孝一さま(有限会社小林建築所)
  • 小笠原総一さま(富士スクリーン印刷)
  • 篠原広樹さま(篠原自動車板金塗装)
  • 廣島隆司さま(廣島民雄土地家屋調査士事務所)
  • 功刀孝次郎さま(南アルプス三景園オートキャンプ場)
  • 三井倫実さま(三井社労士行政書士事務所)
  • 中島 大さま(株式会社シンク)
  • 斉藤隆典さま(株式会社サンセー商会)
  • 鈴木英和さま(有限会社鈴屋理念サプライ)
  • 金丸哲也さま(株式会社カナマル)

スタッフ

  • 林孔さま(山梨学院大学 現代ビジネス学部2年)

2016/12/16

いい会社づくり体験ゲーム【ダイナミズム】研修レポート