
2018年4月4日に埼玉県商工会連合会にてダイナミズムの講師をしてまいりました。参加者の皆さんは前職がある方と新社会人の方がおよそ半分ずつ。ダイナミズムのゲーム性も相まって、色々な価値観を共有できる研修となりました。
インパルスゲートとは
インパルスゲートとは、商工会青年部の目的の一つである「地域活性化」のために青年部が成すべきことを考えるゲーム型の研修教材です。もともとは山梨県商工会青年部連合会のご協力をいただき、2015年12月に完成しています。
「地域活性化 = 青年部の規模 × 地域貢献 × 青年部員の質」というシンプルな「青年部による地域活性化方程式」を考案し、インパルスゲート内でもこれに基づいてプレイをしていただいています。
※パンフレットのダウンロードは<こちら>より
緊張感のあるスタート
なかなか緊張感のある代表者挨拶ですね。
参加者同士が知り合って間もなかったり、密接なコミュニケーションが取れていない場合、ゲーム型研修の冒頭はピリッとした感じになりがちです。盛り上がるとか楽しむとか考える余裕が無いこともしばしば。でも決して悪いことではないと思います。むしろそれが当然ですよね。
冷え切った研修の場を温めるのはけっこう難しいことです。でもそれがダイナミズムでは容易に出来てしまいます。講師があの手この手を駆使してテクニカルなことをしなくても、ダイナミズムのシステムが参加者の積極性を引き出してくれるからです。
だからスタート時点で盛り上がっていない時も、不安や焦燥ではなく「ゲームが終了した時にどんなふうに変化しているんだろう?」というワクワクの方が講師としては強かったりするものです。
経験の差はどう影響する?
1年目・3年目・5年目のダイジェストです。
初年度から順番に追っていくと、場の雰囲気が変わっていく様子がよく分かりますね。ゲームルールの理解が深まるにつれて行動範囲が広くなるのは当然のことですが、お互いの人間性を少しずつ掴むことによってコミュニケーションの輪が広がる場合もあります。
社会人としての経験の差も手伝って、転職された皆さんの方が柔軟な対応をしていることの方が多いように感じました。
対して新社会人の皆さんは、多少のぎこちなさはあるものの言動の1つ1つに込める実直な想いがひしひしと伝わってきますね。
最初はワンマンプレーで独り勝ちを狙っていたプレイヤーも、仲の良い相手とだけ取引をしていた小さなグループも、あらかじめ提示されていた優勝条件の本当の意味を理解し始め、少しずつ商圏を広げていきます。
いったい誰が優勝の栄冠を手にするのでしょうか?
優勝は誰の手に!
見事、優勝を果たしたお二人。ちなみに投票によって優勝したの方は新社会人。優勝者に指名されたサブ優勝者は転職組です。メイン優勝とサブ優勝という形ですが、ダイナミズムには準優勝という位置づけはなくどちらも優勝です。
お2人とも多くを語らず淡々と取引をこなしている印象でした。しかし、それだけでは「自分以外のプレイヤーからの支持を得る」という優勝条件をクリアすることはできません。
カメラが追いきれなかったところで、様々なプレイヤーと密接な関係を築いていたということですね。部屋の片隅で起こった小さな出来事が、巡り巡ってまち全体に影響を与えるというダイナミズムらしい展開でゲームパートは終了しました。
気持ちをぶつけ合うことの素晴らしさ
今回のふりかえりはとても熱い議論が交わされる素晴らしい時間でした。
こういったディスカッションでは「私はこう思う」という発言に対して、無条件で「その通りですね」という同意の言葉を返すことが多いのではないかと思います。
しかし今回は賛同できる要素はありつつも、自分の疑問点を隠さずにぶつけて議論の内容を深堀りしていく様子が見られました。これは本当に素晴らしい。
「摩擦がない組織は向上しない」というのが私の考えです。仲が良いだけの組織は、物事が上手くいっている時はそれでいいかも知れません。ですが、何か問題が発生した時に打破する力を養うことができないのです。耳障りのいい言葉を投げかけているだけでは、状況を大きく動かすことはできませんからね。
組織のメンバーがお互いに自分の意見を正直に打ち明けられなければ、それは本当の意味で仲が良いとは言えないのではないかとも思います。喧嘩ではなく建設的な意見の交換ができるということは、その組織にとって間違いなく強みになります。
おわりに
新卒であろうと既卒であろうと、新しい職場や新しい環境に身を投じるということは決して楽ではありません。そして組織の一員として考えるならば全員が同じラインからのスタートでもあります。
手探りをしながら日々さまざまな業務を遂行していく。失敗や成功を繰り返して少しずつ成長していく。時には大きな壁にぶつかって挫折感を味わったりもする。そんな時に、このダイナミズムで学んだ事や気付いた事が少しでも助けになればと思います。
今回のダイナミズムの開催にあたり、ご協力いただいた埼玉県商工会連合会事務局の皆さま、本当にありがとうございました。またお会いできることを心より楽しみにしております。