2014083001

よく勉強会などに参加し「業界特化の仕方」について学ぼうとすると、既に完成された状態の先生による講座が待っています。もちろんこういった先生の話は聞く価値があります。ただ、「どうしてその業界へ特化していったのか、その道のりを見たい」というニーズが多いのも事実です。

私のクライアント「建設業専門行政書士」の事例

私のクライアント様で行政書士の先生がいらっしゃいます。平成23年に開業されており、同年に「建設業界」に特化するというスタンスで進められてきました。

ただ、完全に特化が完成したといえるのは本年に入ってからです。様々な取り組みと、それら取り組みに対し徐々にウェイトを重くしていったその軌跡を紹介していきたいと考えております。

事例紹介の前に

今回、売上に関するデータを公開しますが、実際の額を示すわけにいかないので「pt」という指標を用いています。「1pt」が実際のいくらに相当しているのかについては、ここでは明言しません。ただし、月ごとや業務種別ごとの比率は表の通りになっています。

平成24年の実績

私のコンサルティングサービスにお申込みいただく前年の実績です。この年には既に建設業に特化する活動をされております。しかし、年度の後半になると、建設業以外の単発業務による大幅な売上が発生しています。

平成24年
建設系業務
ビザ系業務
会社設立
その他
合計
1月
266pt
111pt
0pt
47pt
425pt
2月
27pt
0pt
0pt
212pt
239pt
3月
194pt
0pt
0pt
222pt
415pt
4月
データ取れず
5月
データ取れず
6月
11pt
0pt
0pt
13pt
24pt
7月
44pt
0pt
72pt
83pt
199pt
8月
194pt
8pt
0pt
35pt
237pt
9月
322pt
0pt
85pt
16pt
423pt
10月
88pt
15pt
0pt
128pt
231pt
11月
33pt
0pt
0pt
809pt
842pt
12月
99pt
1pt
3pt
268pt
372pt
割合
37.5%
4.0%
4.7%
53.8%
3,407pt

「その他」というカテゴリが最も多くなっている妙な表ですが、建設業関係の業務が売上比率で「37.5%」という状況で、まだまだ特化といえるものではありません。

平成25年の実績

平成25年の9月より、コンサルティングサービスがスタートしております。インプットやアウトプットの精査と時間管理を徹底することで、来年度からの体制を整えていきました。

平成25年
建設系業務
ビザ系業務
会社設立
その他
合計
1月
266pt
178pt
51pt
585pt
1,079pt
2月
11pt
0pt
150pt
46pt
207pt
3月
100pt
0pt
0pt
117pt
217pt
4月
311pt
0pt
87pt
106pt
503pt
5月
11pt
67pt
0pt
831pt
909pt
6月
434pt
30pt
0pt
78pt
542pt
7月
91pt
3pt
0pt
89pt
183pt
8月
127pt
10pt
0pt
98pt
235pt
9月
369pt
100pt
133pt
10pt
613pt
10月
261pt
78pt
0pt
67pt
406pt
11月
531pt
167pt
11pt
211pt
920pt
12月
333pt
50pt
89pt
44pt
517pt
割合
45.0%
10.8%
8.2%
36.0%
6,330pt

この年、先生の頑張りによって総売上は飛躍的に向上し、建設業関係の業務が売上比率で「45.0%」となっています。ただし、またまだ「その他」の比率が高く、単発業務が売上の36%を占めている状況だといえます。

約半分が建設業のお客様という状況は業界特化といえるのか?

この疑問は私を少し悩ませました。それは、売上だけを特化の指標にしていいのか?という点です。極端な話をするなら、何十年も建設業専門の行政書士といいながら、建設業許可の申請だけをされている方は果たして特化といえるのだろうか?と私は考えたのです。ここから行政書士という「先生業」としての取り組みが本格化し始めます。

平成26年の実績

本日の段階でコンサルティングサービスがちょうど1年経過しています。日々の報告をサボることもなく、毎月のミーティングで決めたことも実践するというスタンスで、特にラッキーな出来事もなく、淡々とタスクを進められました。

平成26年
建設系業務
ビザ系業務
会社設立
その他
合計
1月
269pt
0pt
70pt
169pt
509pt
2月
414pt
0pt
0pt
0pt
414pt
3月
228pt
0pt
13pt
0pt
240pt
4月
955pt
0pt
0pt
0pt
955pt
5月
820pt
0pt
0pt
0pt
820pt
6月
484pt
16pt
0pt
0pt
499pt
7月
1,215pt
45pt
0pt
0pt
1260pt
8月
1,005pt
0pt
0pt
0pt
1,005pt
9月
753pt
0pt
0pt
166pt
919pt
10月
468pt
85pt
0pt
193pt
746pt
11月
800pt
0pt
0pt
95pt
895pt
12月
689pt
48pt
32pt
0pt
769pt
割合
89.9%
2.4%
1.5%
6.2%
8,422pt

建設業関係の業務が売上比率で「89.9%」となり、売上は前年比で133%となりました。業績以外では、以下を達成されています。

  • 昨年からスタートした事務所だよりを休むこと無く毎月発刊
  • 自社クライアントにおける事例研究
  • 企業研修の受注
  • 自主開催セミナーの定期開催

現状では、間違いなく建設業に特化していると断言でき、ストック型としても、入金タームは遅めながら確立していますので、年々経営が安定する状況になっています。

年度別取り組んだこと一覧

平成25年は業務内容や取り組み方、時間の使い方などについて最適化をし、平成26年は営業に関する取り組みを進めていきました。現状では建設業のお客様が毎月コンスタントに増加している、いわば「完成」した状況です。ここでの取り組みを真似したところで再現性が低いと思われます。

なぜなら、特化できたと言えるかどうか曖昧なポイントにこそヒントがあるからです。業界特化が完成した方の洗練された取り組みよりも、試行錯誤の行動を見てみましょう。

平成25年に取り組んだこと一覧

  • 日々、使える時間と業務量を測る
  • 業務ごとの時間を数値化し、タスク管理を徹底する
  • 業務効率を良くする取り組みを継続する
  • ひとつのインプットで複数のアウトプットが出来るようにする
  • ひとつのアウトプットを複数の媒体で使える仕組みにする
  • 要らないインプット(書籍・セミナー)をやめる
  • オリジナルのサービス(ストック型)を作る
  • クライアントにインタビューをし、次年度以降の戦略を立てる

いろいろと取り組む順番に気をつけながら取り組んできました。ここでのキーワードはいくつかしかありません。

それは「時間の効率化」「顧客との対話」「ストック型の強化」です。

時間と顧客との対話

やってきた事をそのまま真似しても効果がない場合がありますので、行動の意味から、自分流の取り組みを考えてみましょう。いろいろな価値観はあると思いますが、上記から導ける特に重要なキーワードが「時間」と「顧客との対話」です。

「1日が24時間以上あればいいのに」という全人類共通の希望も、業務効率を25%向上させれば、相対的に時間が増えたのと同じです。

また、業界に特化する上で、業界を知らなければ話になりません。活字だけではなく「生の声」にも現実があることを忘れてはいけません。

とても軽視されがちなこの2つのポイントは業界特化以前に、ビジネスの出発点かもしれませんね。

平成26年に取り組んだこと一覧

  • スタッフの雇用
  • コンサルティング業務の開始
  • スタッフの雇用
  • 集合研修メニューの開発と開催
  • 時間確保のためのブログ更新頻度の削減

顧問業務の確立

この年、後半にスタッフを雇用したこと、また毎日更新していたブログの頻度を落とすことで時間を確保し、コンサルティングメニューの開発を行いました。これにより建設会社の業務受注に関する内容や人材教育に関わる事となり、年一度、あるいは2年に一度の更新というストックから「毎月報酬を貰うサービス」として提供できるようになりました。

接触頻度の向上から、他の行政書士に業務が流れる危惧も無くなり、経営も安定することからより理想的な事務所経営に近づくことができました。

おわりに

業界特化に対して割と否定的な私ですが、ここまで出来ているなら本当に効果的だと感じています。今後の取り組みに関してはどうしても偏ってしまう「繁忙期」の対策や、業界活性も視野に入れた取り組みによって行政書士としての枠にとらわれない活躍をされるようにサポートしていきたいと考えています。

最後にデータ公開を快くご承諾いただいたクライアントさまに対し感謝の意を表するとともに、業界特化したいと考えている専門家の皆さまの参考になれば幸いです。


2014/08/30

コンサルティング