2014090901

世の中には終わったドラクエのレベル上げをする人がいます。仲間4人で魔王をやっと倒してそこで満足せず、「よし!勇者ひとりでも倒せるようにレベル上げしよう!」ってモチベーションだと思いますが、ビジネスにおいてのこの感覚は非常に危険です。
※なお、この記事は男の子向けです。

単調なレベルアップも楽しい!

「あと3レベル上げれば、ムドーが倒せそう」

「サマルトリアの王子使えなすぎ。ミスター器用貧乏」

こんなモチベーションで楽しくドラクエをしている時、レベル上げという今やろうとすると苦行のような不毛な時間も楽しく過ごせるものです。

ドラゴンクエストという日本ゲーム業界が生んだモンスターレーベルは新作を生み出し続け根強いファンによって支えられています。

そして、このゲームの特徴は往々にして世界平和を乱す悪の化身を倒すというストーリ展開の末、ボスを撃破した後も勇者一行は修業によって強くなることができます。

なぜ強くなる必要があるの?

勇者が強くなる理由は「世界平和」のためです。一歩前のプロセスでは「魔王を倒すこと」これがモチベーションになっています。

そのために何十時間というプレイを経て、魔王に匹敵する力を蓄える必要がありますが、魔王を倒した後も引き続きレベルアップをして「勇者ひとりの状態で魔王が余裕で倒せるくらい強くする」という人が一定の割合で存在しています。

王様の心境

勇者に魔王討伐を依頼した王様は、数人の仲間でギリギリ魔王が倒せることを望んでいるはずです。なぜなら、余裕で魔王を倒せる勇者は「世界を手に入れる力を持つ」ことになるからです。王様は次に起こるかもしれない脅威に不安を覚えることでしょう。

現実との乖離

レベル上げの要素は町の外にいる「モンスター」を倒すことで得られる経験値を貯めることです。ここには精神の醸成などの要素は全くなく、武力で敵を駆逐することだけが価値観です。そして、どんなに強くなっても、一番弱いモンスターを倒すことで経験値は手に入ります。

でも、現実には、私が「小学1年生の算数ドリル」を何冊やっても学力は向上しません。ドラクエを現実の話と結びつけるのはバカみたいな話ですが「終わったドラクエのレベル上げ症候群」は確実にあります。

次のステップに進むべきなのに居座ってしまう

起業や開業されている人を見ていると、そろそろ次のステップに進んだ方が収益面もクライアントへの価値の面もいいのになと感じる方がいます。クライアント様であれば間違いなくアドバイスするのですが、飲みの席などでお会いした方に言うと

「いえいえ、まだ私には早いです」

と仰られるケースがほとんどです。無理に学ぶ必要はありませんが、関与している企業価値を向上するために私たちは居るべきなのに「早い」ってことはないですよね。むしろ遅いくらいだと思います。

居心地が悪い環境に行く

私が尊敬するある経営者の方は「自分の成長のために、できるだけ自分が背伸びしなければならない環境に行くようにしている」というのが口癖です。

つまり、倒せるか倒せないか分からないボスに常に挑戦している状態です。その場が居心地が良くなったことを自分のレベルアップの基準とし、ステップアップしていくわけです。

時間がもったいない

自分のレベルアップを感じ、次のステップに行く、あるいは会社やコミュニティを一段階引き上げるという活動をしなければ、本当に時間の無駄です。

ドラクエなら自分だけの時間の浪費で済みますが、現実には信じて着いてきてくれる人にとっても失礼ですし、関わる全員の機会損失なのは言うまでもないでしょう。

自分が越えられるべき中ボスになってしまう

どこかのゾーンに停滞すると、独自性がなくなり、レベルの差が多少あるが同じようなことができる層で見られるようになります。

「独立年数は先輩だけど、あの人は越えられそう。だってずっと変わってないもん」

こうなると、自分は後輩から越えられる中ボスになります。そして、越えられた後輩からは独立年数という面だけで敬意を払われる。

反論があるかもしれませんが、現実です。コンサルタントも士業も会社経営でもこんなのいくらでも見てきましたから。

現状に不安にならない

倒すべき魔物なんかいない現状で、インプットをし続けることが勉強だと思っている方があまりにも多すぎると感じています。

それならば、入れた情報を基にアウトプットをし続けてし続けて、カラカラの状態でするインプットは格別ですよ。サウナ後のビールです。

なんちゃら戦略とかなんとかシグマとかなんとかフォースとかいろいろありますが、いろいろ入れ過ぎることが停滞の原因になっているんだと思います。

何か決めた一個を実際の仕事で活用できるまで昇華してこそ、インプットの意味がありますし、例えば書籍なら著者もそれを望んでいるんじゃないでしょうか。

体験型ゲーム制作の例

私が「体験型ゲーム研修」を作り始めた経緯は、毎月いろいろなセミナーを開催している社労士の先生があまりにも大変そうで「参加者が変われば展開も学びも変わる研修をつくろう」と思ったことでした。

私は、いろいろなボードゲームを購入しコミュニティを作り、「楽しさ」と「学び」を学びました。その後、ボードゲーム制作に関する書籍を2冊購入しました。

その書籍は「ルールズ・オブ・プレイ(上)」「ルールズ・オブ・プレイ(下)」の2冊だけです。正直、めちゃくちゃつまらない本でしたが「意味ある遊び」という概念は腑に落ちました。そしてこの本だけを今でもずっと読んでいます。

あとは、作ってテストの繰り返し。いくつかの良作が生まれ研修化することができ、小学生から社員研修まで実施することができました。

とにかくアウトプットしよう

学んだことをアウトプットしてみましょう。アウトプットは終わったドラクエのレベル上ではなく、今まで無かったルールの創造でもあります。

たとえば賃金体系を作るでも、会社設立時のビジネスモデルのチェックでも、タスク管理でも何でも、違う人がアウトプットすることで二つとないサービスになるはずです。それを「差別化」という表現方法だけで何とかするのではなく、やりきれることで自然と独自性を生むようにしたいものです。

何があっても焦らない

もし、上手くいかなかったり、失敗してしまったときは焦る必要はありません。「一段下がればいいだけ」です。これが「少し早すぎたな」と初めて感じる瞬間であるべきです。

今までにコツコツやってきた末のステップアップならば、それ以前の上手くいったフィールドに戻ることだってできるはずでしょう。例えば「美容業界専門のコンサルタント」が「整体やマッサージ業界」に拡大しようとして上手くいかなくでも、美容業界のベースがあるのでまたやり直すことができます。

本当に恐ろしいのは「一段下がる場所がない」という状況なのです。

ステップアップ過程では自分に憤りを感じるだけ

同じ所に意味なく留まるのではなく、次のステップを目指すことで現状に不満を持たなくなります。正確には自分に対しての不甲斐なさに憤るだけでしょう。

この感情は涙がでるほど悔しく、自己嫌悪に陥らせるものかもしれませんが、次のステップの居心地の悪さを感じているに過ぎません。それが普通になった時、もしくは仲間の力を借りて余裕が生まれた時にきっと思うはずです。

「あー。次はどんなことに挑戦しようか」と。

いつか振り返った時に「あのときは辛かった」という話をぜひ後進にきかせてあげたいものですよね。成功されている方が話すヒストリーはいつだって夢と希望にあふれているものですから。

おわりに

今日は元々「雑記」カテゴリに設定し、下らない話を書いてやろうかと思いましたが、元来ユーモアセンスがないのでこんな記事になってしまい、カテゴリも「コンサルティング」に変えています。

ドラゴンクエストは一作もやったことがないのですが、「終わったドラクエのレベル上げ」という表現は会社員時代に新人研修で私がよく話していたので、最新バージョンにリマスターして書いています。

私自身もいつも「中ボス」にならないように気をつけており、このブログでもそうですが、もう何も出ないスカスカになるくらいアウトプットをしています。

ギャグ漫画家でいう「才能枯れ」ってやつです。でも、コンサルタントってテーマは枯れることないんです、人と関わり続けている限り。


2014/09/09

コンサルティング